業務用は大型で広い空間に対応するイメージのエアコンですが、家庭用との違いというと意外に分からなかったりします。業務用エアコンは一般的に埋め込むタイプが主流で、室内機が目立ちにくい形で室内に存在するのが特徴です。勿論、家庭用と同じく壁掛け形もありますが、商業施設などでは目立たないように天井カセット形が採用される傾向です。
天井カセット形は文字通り天井にセットする構造で、天井に室内機が埋め込まれることから出っ張りが少なく、目立たないようになっています。逆に出っ張りがあるのは天吊り形ですが、壁より天井に這うような形状なので、家庭用の壁掛け形と比べて空間を広く感じさせます。ただサイズ的にはやはり家庭用よりも大きく、そして風量などの性能も上回るものとなっています。
他にもダクト形や床置き形など、業務用エアコンは形状や設置方法の種類が多いことが特徴に挙げられます。一方の家庭用は壁掛け形が圧倒的に人気で、各社共にこのタイプの開発に力を入れています。設置性やメンテナンス性が良いことに加えて、どの家庭でも設置スペースが確保しやすいという事情もあるわけです。
設置方法や形状に関係なく、業務用と家庭用の間には更にいくつもの違いがあります。例えば冷暖房能力は業務用でも最低1.5馬力はありますが、家庭用だと0.5馬力ほどと比較的弱めです。また上は10馬力以上に対して3馬力程度と、最高性能にも大幅な差が存在します。風量も当然ながら体感できるほどの違いがありますし、冷房で稼働する業務用エアコンの前に立てば、短時間で凍えるような寒さを感じることもあるほどです。これはつまり、短時間で体温を奪うくらいの冷房能力と風量を併せ持つ証拠で、実は使用する電源にも違いがあって、家庭用は単相の200Vか100Vが主流ですが、業務用は単相と三相の200Vが基本となっています。業務用は100Vでは不足で、最低でも単相200Vが必要ということになります。風量が大きい業務用エアコンは、吸い込む量も多いことから埃を吸い込んだり、汚れが内部に付着しやすいといえますので、メンテナンス性も考慮して設計されていますし、基本的な耐久性を高めて製品化されています。家庭用はコストとの戦いでもありますから、業務用と比べると至るところに企業努力のあとや妥協点が見られます。大型の業務用は設置が難しく、工事に手間と時間を要してしまうのがネックですが、家庭用は割とコンパクトで1人でも持ち上げられますから、設置工事の難易度は低く、内部洗浄などのメンテナンスも容易です。
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